課題の解釈
身体とは「生まれ、脈打つもの」私はそのように捉えました。
人間は勿論、動物や草木に至るまで、生まれ出て死ぬまで脈を打ち続けています。
広い宇宙の中、地球という小さな星の中で懸命に脈打って生きていく生き物の美しさを表現したいと思い、課題に取り組みました。
デザイン・表現方法
私は「生まれ、脈打つ」という解釈を、織った布の表面を波打たせることで表現しました。影が命の源である海を彷彿とさせるよう、横糸には青色に染色したチュールを使用し、縦糸には生まれ出てきた命のまっさらに輝くイメージを乗せて艶のある白のレーヨンを使用しました。青色のチュールの隙間から覗く光沢のある糸により、素材自体もキラキラと見えます。
形は、私たちが住む世界を宇宙で地球だけと捉え、真四角をを地球の枠と捉えて、正方形にしました。その中で様々な生命が生まれ、脈打つ様子を期限内でできるだけダイナミックに表現したいと思い、波打たせた時100×100cmの正方形になるよう、160cm×30cmの織った布を4枚用意し、作品を制作しました。
この形を形成するため、強度の弱い布を水に溶いたボンドで補強し、織構造の中に細い針金を通して形成しています。
サイズ : 1000×1000mm / 素材 : 縦糸レーヨン 横糸ナイロンチュール・ボンド・針金・テグス / 技法 : 織り・ミシン