喋ボテン
元来、サボテンには触ると痛いという特徴がありますが、この喋ボテンは触った自分の手ではなく、触られたサボテンの方が痛がるという代物です。 最初のプロトタイプは3日で作成、その後現在まで改良を重ねてます。企画・設計・実装全て吉松
世の中には、触ると痛いもの、触ってはいけないものが
たくさんある。
そして、痛い、いけないとわかっていても触ってしまう人がいるのもまた事実である。
その中でも、特に触ると痛いものの代表例といえるのがサボテンのトゲであると私は考えた。
しかし、サボテンのトゲは、厳しい環境下で生き抜くために、葉の面積が極限まで小さくなった彼らなりの生存戦略の結晶でもある。
我々人間が数日で息絶えるような場所で何十年も生き抜くサボテン。
彼らに触れて痛みを共有することで、彼らの棲む環境の厳しさに思いを巡らせてはいかがだろうか。
ユーザにもたらす体験のイメージ
今回、触ると痛いものの代表例であるサボテンを、喋るタッチセンサとして敢えて触らせることで、痛みをも共有する新たなコミュニケーションを実現。
触れてはいけないものに触れる背徳感と矛盾を楽しめるようにした。
また、土の水分量や、温湿度、大気圧をセンサで計測し、バイオリズムを生成。
環境の良し悪しや育て方によって喋り方が変わるため、日頃から心にゆとりを持ちながら世話をすることが大切になってくる。
イメージを実現するために用いた技術
タッチセンサは保水力の高いサボテンの特徴を生かすために、静電容量式を採用、。
屋外やベランダ等の電波が入らない環境での使用を想定、DFPlayerであらかじめ生成した音源を再生することにした。
土の水分量は当初可変抵抗式の土壌センサを用いていたが、土やサボテンに電極を挿すとタッチセンサに干渉してしまうため、超音波での水分量測定を目指している。
擬似的に波形を生成することで実装したバイオリズムは、センサの値によって上下させており、極端に寒い/暗いと機嫌が悪くなるように設定。
また、サボテンは生息環境上、気温の変化に比べて湿度の変化により弱いので湿度の方がウェイトが重くなっている。
受賞・展示歴
MA2018ヒーローズリーグ ソニーSPRESENSE賞
FESTA 2018 by MAにて展示