方位自身
地下鉄降りて出口がわからない、スマホの地図をくるくる回してしまう。 そんな悩みにこの方位自身。 常に北に対応する箇所が振動するこのネックレスを数週間着用すれば、道を覚えられるようになります。方向感覚という第六感の習得も夢じゃない? ※開発後の検証編は後日加筆いたします。
方向感覚を身につけるネックレス
ネックレスの北に対応した場所が振動するようになっていて,首にかけて北の方向に振動を感じることで方位を体感することができるデバイスです.常に方向感覚を体に覚え込ませることで自然と方向音痴を治すことを開発の目的としています.
自らが実験台となって装着し外出した際には、
- 地図のインプットが早くなる
- 一度行った道を忘れなくなる
といったメリットを体感できました。
スマホの地図アプリとも相性が良く、同時に使うと目的地の方向がよりわかりやすくなります。また、行きで通った道とそのときの方向感覚が身体に残るため、帰り道がよりわかりやすくなります。(写真は京都駅ホーム)
実際に使用して日記をつけていくと、振動に身体が慣れていって外したあとも「今着けてたらこの辺りが振動してるだろうな」と感じられるようになっているのがわかるようになりました。
現在はまだ、方向や位置関係の認知支援に留まっていますが、意識的に振動を身体で感じ続けて体に覚え込ませることによって、最終的には方位自身を着用せずとも常に北を認識できるようになるのではないでしょうか。
体験のイメージ
当初はベルト型も考えていたが、ウエストの個人差が大きいことから、よりコンパクトにしてより個人差の少ない首筋への装着というカタチで実現させることにした。
また、多くの方々に試してもらった際、一部からの熱い要望を受け、振動に体が慣れないうちのアシスト用としてLEDを用意していたが、結果としてリアクターっぽさがあって、表現手段としてのエモさを感じました。
とはいえ、今回はあくまでも振動を通して新たな知覚を身に付けることを主眼としている。そのため、ネックレス型・チョーカー型のいずれにしても振動の要素を切り離すことは考えていなかったが、今後はLite版として光だけのブレスレット型も実現させたい。
ターゲットユーザー
駅構内を彷徨い、違う改札に入って駅員さんに取り消してもらう人
スマホの地図をくるくる回してしまい、「目的地周辺」でナビが終わることに逆ギレしちゃう人
「ここだよ、ここ」「あっちの方にあるよ」と場所や方向を指されてもイマイチわからない人
派生ユースケース
振動を利用することで、言語に頼らず存在を示せるという特徴を最大限生かした使い道が考えられます。
保護者のスマホと接続させて子供の迷子を防止する用途が考えられる他にも、
道順指定されずに気ままに行きたいというときや、ツーリング中、UberEats配達員用に目的地の方向だけ案内させるなど、スマホを見れない際のユースケースもあるでしょう。
イメージ実現に用いた技術
3軸地磁気と3軸加速度からキャリブレーションした値を返してくれる3Dコンパスを採用することで、傾けても正しい方位が取得できるように工夫しました。
振動モータを動かすための電流がある程度必要だったので中華nanoの限界を測定してから使用。リチウムイオン電池の予定を変更してモバイルバッテリーを繋いだ瞬間スイッチONになるように変更。振動モータのノイズでnanoが壊れたので、ブラシレスモータにして解決。
その後外部電源(主にモバイルバッテリー)を接続せずに済むように
発表・展示歴
ヒーローズリーグ XUIヒーロー賞, Fusion360賞
Upgrade Summit 2020 にて発表
他にもFabMeetupKyoto vol.40 でLTに当日乱入したりdotFesで登壇者さんに凸ったり。
みなさん、本当にありがとうございました。